大工の棟梁は怖い?
「棟梁は怖そう」と言われることがあります。たしかに、僕らの2世代くらい前はそうでした。堅物で、頑固! 当時は、弟子の躾もかなり厳しいものでした。
現在は、時代背景もあって、そうではないです(笑)。僕ら棟梁は、めちゃめちゃ優しいですよ!
小さなことでも、気軽にご希望をお伝えください!
「棟梁は、怖そうで、声をかけにくい。注文や希望も言いにくい。希望も聞いてくれないのでは……」と思われているかもしれませんが、全然、そんなことはありません。
ちょっとした小さい仕事で、「こんなこと、頼めないかな」と思うようなことでも、じゃんじゃん言ってください! たとえば、押入れをクローゼットとして使うためのハンガーかけや、造り付けの机や引き出しも、注文があれば作ります。中には構造上の問題があって譲れない部分もありますが、そういった場合には、お客様としっかりじっくり話をしながら進めます。きちんとご希望、ご相談承ります、気軽に言ってください!
厳しさのわけ~『責任』と『こだわり』と『覚悟』~
大工の棟梁は、怖くはありませんが、厳しさはあります。それは、「責任」と「こだわり」と「覚悟」ゆえです。棟梁は、常に、仕事に責任を持ち、覚悟をもって仕事をしています。
だから、「怖そう」と思って、棟梁を避けないでくださいね。
実は、棟梁を避けてしまって、逆に苦労された方もいらっしゃいます。
最近は、自宅のリフォームをするときに、棟梁に相談せずにペンキ屋さんや、電気屋さん、水道屋さんなどに直接依頼する人が増えてきました。これは、実際にあった話で、水道屋さんに直接頼んで、2階にある風呂場や洗面所などの水周りのリフォームをされた方のお話です。湯船を入れ替える工事で、床の張り直しをしたのですが、工事中に床が抜けてしまったそうです。こういったトラブルが起きないように見守るのも、僕ら棟梁の仕事なのです。棟梁は、「家のプロ」として、監督の立場で、なんどもチェックしに行きます。監督なので、それは厳しい目でチェックします。工事の見積もりや段取りが適切かどうかを監督し、進行も管理します。その責任を負っているのが、棟梁なのです。もし万一、こういった事故が起こってしまった場合でも、棟梁を通して水道屋さんに依頼していれば、棟梁が責任を持って、穴の開いた床を修理し、修理代も負担します。これが、棟梁の責任であり、赤字も覚悟の上です。棟梁が弟子に厳しいのは、弟子のした仕事についても棟梁が責任を取るから。弟子の成長にも責任を引き受けて、棟梁は仕事をしています。棟梁は、そんな度量も持ち合わせているのですよ。僕ら棟梁は、自分の造る「家」に責任を持っているから、厳しいのです。一生ものの、そして、何世代も受け継いでもらえるだけの家を造る覚悟があります。一生ものの、そして、何世代も受け継いでもらえるだけの家を造る覚悟で仕事をしています。大切な家のことは、責任を持って対応できる棟梁にご相談ください。