「加藤さんって、フェンスの工事もするんですか」
先日何気なく書いたブログについて、質問をいただきました。
厳密にいうと、外構工事は大工や棟梁の仕事ではありません。
お客様から外構のお話をいただくと、専門業者におつなぎし、監督的な役割でお客様のお手伝いをさせていただいております。家を建てるときには、外構は切っても切れないことですので、信頼できる専門業者のツテもきちんとあります。また、関連する知識も持っていますので、お客様と専門業者をおつなぎし、お客様のご要望が実現するように「通訳」させていただいています。
しかし、大工の技術と外構工事の技術には通じることもあります。専門業者がやっていることを実際に自分でやってみることで、より「外構のホントのところ」「実務」が分かるというものです。
ということで、自社作業場周りのフェンス工事を自らやってみたというのが、先日のブログ記事の内容です。
自社作業場の外壁46mあまり。ブロック積み、フェンス施工の大きく分けて2工程ですが、施行には3日ほどかかりました。アタマではわかっていたのですが、実際にやってみると、なるほどと思うところがあったりして、とても勉強になりました。
たとえば、なのですが……。フェンスを施工するところでは、柱の設置でちょっと苦労しました。柱の先端がまっすぐ通るようにしないといけませんが、これが結構大変で……。46mの長さを2分割して、先端に糸を張って、先端の通りを揃えるようにしたんです。ピチッと先端の通りが揃うようにしておくと、フェンスが出来上がったときに綺麗に見えます。ここがキモだということが分かりました。
初めてする仕事は分からないことばかり。外装専門の方に比べたらかかった時間も、まだまだ。慣れも必要そうです。しかし、大工だからこそ、細部が見えてくるというところもあります。「見た目の急所が分かれば、どんな仕事でも挑戦できる」。その急所も、大工の視点で見つけることができる。今回の経験から学んだことです。
今回、ひととおり経験したことで、お客様にご提供できることが増えたのではないかと思います。ちょっとしたことなら、棟梁がすぐに対応いたします。「やっぱり、ここは専門業者にお願いしたほうが」という場合にも、より具体的にお客様にアドバイスできます。
常日頃、「大工は家のお医者さん」と説明させていただいているだけに、家に関する広い知識を常に身につけていかなければならないなと考えています。うちの若い社員たちにも「常に勉強」と言っていますが、それは自分も同じこと。どんどん新しいことに挑戦していきます!