僕は日本家屋を建てる大工の棟梁です。

そして、お客様にはいつも「僕は家の主治医でもあります」とお伝えしています。

その言葉には、家屋の修理を行うことはもちろん、そこに住まうご家族の健康にも気を配っています、という意味が込められています。

「高気密・高断熱の家」、本当に快適ですか?

冬、暖かくて、冷暖房が効きやすい、そういった理由で、高気密・高断熱の住宅を希望される方が少なくありません。

昔の日本家屋は、隙間風が入ってきたり、トイレやお風呂が屋外にあったり、現代の生活から考えると不便な点が多々ありました。冬の寒い朝に、トイレに行くのにいったん外に出る、お風呂上りに寒い廊下を歩くのはつらいかもしれません。昔の人は、そうした住宅で生活して、大変だったなぁと思うこともあります。隙間風だらけの家は、熱効率も悪く、よけいに光熱費がかかりそうです。

たしかに、高気密・高断熱の家は、効率がいい面もあります。しかし、言い換えると、高気密・高断熱の家は、「風通しの悪い家」でもあるのです。

現代の住宅には、断熱材や接着剤、建材の一部として、ホルムアルデヒドなどの有機化合物が使われています。そうした物質は、少しずつ、毎日ご家族が生活している空間へ放出されています。また、人が生活するところでは、どうしてもダニ・ホコリ・カビなどのハウスダストが発生しがちです。これは、人という生き物が生活するうえで、避けられないことでもあります。

こうして日々、家屋の中で発生する微細な物質が、部屋の中を漂っているわけです。そこで、高気密・高断熱の住宅では、どのようなことが起こるでしょう……。とくに、高気密・高断熱の家では、ソファーやベッドに大量にダニなどが発生しやすい環境になります。また、壁やクロスの内部・家具の背部にはホコリが溜まりやすく、カビが発生してしまうこともあります。高気密・高断熱の家は、こうしたものを、家の中にため込んでしまうのです。

もちろん、高気密・高断熱の家は、快適な面もあります。加藤建築では、過度に高気密・高断熱にならぬよう、建材をできるだけ使わない建築を心がけています。

気になるようでしたら、リフォームのご相談を

これらの記事を読んで、「あれ、もしかすると家も……」と思われた方には、内装リフォームについてのアドバイスも行っています。

お客様のライフスタイルをお聞きして、コスト面でも無理のないリフォームの方法をご提案します。リフォームを行うときに、もっとも重視しているのは「赤ちゃんが安全に暮らせる家屋か?」ということです。

赤ちゃんは二足歩行ができるようになるまで、床に近い場所で過ごします。少し目を離せば、床や柱をペタペタと触り、ときには舐めてしまったりもします。か弱い存在である赤ちゃんが、健康でいられる室内にするにはどうすれば良いのか? 僕はいつもそれを念頭において、家屋を建てています。

具体的な方法は赤ちゃんが安心して育てられる家という記事にまとめてあります。ぜひともご覧ください。

ながら・加藤建築が建てる家の特徴

僕は大工になってから今に至るまで、つねに「ご家族が健康に過ごすことのできる家を建てる」という信念を持って、仕事と向き合ってきました。

そしてたどり着いた結論は、そのような家は昔ながらの日本家屋がもっとも適している、というものです。

僕の建てる日本家屋は、「新建材」はできるだけ使用せず、国産の桧や杉などの「無垢材(自然素材)」をふんだんに使用しています。また、蓄熱性能と省エネ効果も高く、保湿性や調湿性に優れた土壁も取り入れて、快適な室内空間をつくりあげています。風通しの良い間取りは、健康的な生活をつくります。風通し(=換気)を良くすることで室内をクリーンに保てるからです。

天然木の優しい香り。温かな質感の土壁。窓からそよぐ微風と陽の光――。

これからも、自然の心地よさを肌で感じることができる、安心・安全な家屋を建てていきたいと思っています。

さいごに……

上の写真は、自然で健康的な家を求めて、ながら・加藤建築を頼ってくださった施工主様と、新築工事を行っている様子です。天然木材、土壁を使用した立派な日本家屋が完成しました。「風通しがよく、気持ちがよい。健康的に快適に暮らしています」という嬉しいご報告をいただいております。