最終追記:2018年05月29日更新

抵抗力を弱めない家づくり

寒い冬になると、床暖房、ファンヒーター、エアコンなど冬を過ごす暖房機器はかかせないものになっています。
床暖房ひとつ考えてみると、現在とても人気 もありオール電化などでお得感もあるのですが、ランニングコストである電気やガス代がかかり床材下には設備が装置されます。
壁も見た目の表面だけつくろい、温かくすることだけが重視されてしまっている気がします。こうした家は住む家本体が保温性に優れているかもしれませんが、暖められた家がまるで魔法瓶のようになっています。寒い外気との温度差が激しく、本来健康なはずの体が対応しきれず

免疫力の低下をまねき、風邪を引きやすくなる原因になる

ということが少なからずあると思います。よく考えるとこうした魔法瓶の家は生活するのには快適で都合が良いかもしれませんが

体には良くなく、実は家のためにも
あまり良くありません。

床暖房が張られる床もあまり賛成できません。本来、床を長く使ってもらうためにも何もしないことが一番だと考えているからです。床下は風が通るので床材の下に断熱材を張ることで対処するなどの工夫や技術で快適に冬を過ごせます。床暖房はどうしても虫が集まりやすく、温床になることが多いからです。このようなことから、僕は常日頃、抵抗力を弱めない家づくりをしないといけないと思うのです。


 昔の冬の過ごし方と日本家屋の冬から学ぶこと…

ひと昔の日本家屋を思い浮かべますと、かまど、土間や囲炉裏があり、日本の伝統家屋の火の座・囲炉裏などで暖をとり、その空間で十分暖かい生活ができていました。
逆にその他の室内の温度はちょっと寒い感じ。そこでお酒を一杯ひっかけて寝るってね…(笑)。

でも、寒いからこそ人間が丈夫になると思います。
寒いから着込む、寒いから何をすれば体温が上がるのか…
人間が寒さに対応しようと丈夫になります。

現代は丈夫さが今かけているかな…。食べるものでも代謝を上げようと、体の中から体温を上げる日本人に合ったバランスのいい食生活が冬の体を守っていました。


家自体もやっぱり魔法瓶にすればどこか傷む。

起きて生活している時間はあたたかく、寝ると暖房を切るので冷えてきます。温度が下がって熱のこもった所と、熱のこもっていない所があれば湿気を吸収してくれ調和がとれるのですが、今の家は吸収し てくれる所がない。その上、乾燥してはと加湿器も使われどんどん湿度が上がる。その湿気を吸収してくれる所が昔からある土壁なんです。壁の呼吸がなければどこかで結露が生じ、結露が生じる所は必ず木が水分を吸い、木が水分をもちきれなくなると腐ってしまいます。

昔は部屋の仕切りにも土壁を塗ることによって、調湿効果、地震の揺れ軽減する役割もあり、理にかなった丈夫な家になっていたんです。昔は筋交いなんてなかったからね。

土壁はあったまりにくいが適度な湿度を自ら調整することができ、冷めにくい保温性、防音の役割もあります。

土壁のほかに、壁の断熱材処理も通気層を設けたり、保温力があり呼吸のできる自然素材のフォレストボードを使うなど、今は選択肢もいろいろあり提案できます。

冬だから断熱効果が!

っとなってしまいますが、現在はさまざまな技術や素材、工夫を組み合わせることができます。暖房器具のランニングコストを比較する前に、呼吸する家、構造自体の大切さをまず知ってほしいです。


人と同じ家で育ってほしい

【ながら加藤建築】赤ちゃんと家(冬の生活)

家は人間の体といっしょで、換気=循環を良くしてあげることで長く住むことができます。床下は高くして風と光を通すことによって乾燥を保ち、虫(シロアリ)も来にくくなります。床暖房などの暖かさは色々な虫にもとっても心地いいんですよ。

ながら・加藤建築では

『呼吸できる家』をおすすめしています。

使用する断熱材も石油製品でない自然素材で呼吸ができるもの、土壁も仕上ではボロボロ落ちにくく現代風にアレン ジするなど、伝統日本家屋の良いところを活かしつつ、固っくるしくない生活に合わせた家づくりができますので、細かなことでもお気軽に相談してください。

家族の中で温度調整の難しい敏感な赤ちゃん。風邪を引いては…っと機密性の高い家にと思われがちですが、小さい時期から日本本来の呼吸する家で本来の冬を感じながら、家と共に呼吸できる環境で、丈夫に育ってほしいなと思うのです。

孫をもった棟梁だから気づくことがあるのです。