新城市にお住まいのS様の楽しみは、住宅展示場めぐり。大手メーカーの住宅展示場や新築見学会に家族で出かけるのがお好きだったそう。そんなS様が、長年の希望がかなってとうとう新築のご自宅を手に入れられ、入居されたので、棟梁とお話を伺ってきました。

本日は、お忙しい中、新築のお宅にお招きいただき、ありがとうございました。また、新築おめでとうございます! とても素敵なお宅ですね! 玄関を入るとストリップ階段が目に飛び込んできて、思わずため息が出てしまいました。私もこんな家に住めたらいいなと思うのですが、どうやって家を建てられたのか教えてください。

住宅展示場を回った末にたどり着いた日本家屋

そもそも家を建てようと思ったとき、どうやって加藤建築を知ったのですか?

実は、昔から住宅展示場や住宅見学会に行くのが好きだったんです! それこそ、大手住宅メーカーのものから、地元の工務店さんがやるものまで、本当に何でも。私は、家を見るのが楽しかったですし、子供も、展示場で行われるヒーローショー目当てで、家族そろって行ったものです。そんな中、この近くでたまたま行われていた加藤建築さんの新築見学会に行ったんです。15年くらい前かしら……。まだ、本当、子供がヨチヨチ歩きで……。そのときにもらった加藤建築さんのチラシも、とっておいたんです。私、見学会でもらったチラシや家に関する新聞広告は、きちっととってあるんですよ。建てるときの参考にしようと思って。

では、15年前から加藤建築で建てるって決めていたんですか!?

いえいえ。そんなことはなかったです。正直、忘れていました(笑)。

実際に建てる段になって、あちこちウェブサイトを検索して調べたり、パンフレットを集めたりして、結構研究したんですよ。近隣の方にお願いしようかなとか、新城市内の会社がいいかなとか。地元中心に探していたんですが、その中のひとつが豊橋の加藤建築さんでした。それで「あ、ここ、昔、新築見学会に行ったところだ!」って思い出したんです。

日本家屋を建てたいってスタートではなかったのですか?

はい。そうなんです。別にどうしても日本家屋がよいって思っていたわけではないんです。

輸入住宅もいいかなとか、大手ハウスメーカーのものがいいかなとか、とにかくいろいろ調べました。

調べているうちに土壁がいいらしいというのを聞いて、「土壁」で検索したときに出てきたのが、加藤建築さんでした。それで連絡を取って話を聞くことにしたのです。実際、他のところにも聞いてみたのですが、土壁でやりたいと希望を伝えると、「うちはやったことがない」「親父の代ではやっていたけれど、まだ、自分はやったことがない」というような返事ばかりでした。加藤さんだけが「僕、やっていますよ。できますよ」という返事だったんです。

決め手は何だったのでしょうか。

いろいろ希望はありましたけれど、やっぱり、丈夫な家がいいということです。

今風のおしゃれな家にも憧れますが、それは家が丈夫であってこそ、その次のことなのではないかと思うんです。ずっと住む家なので、安全を守れる丈夫な家が何より一番。丈夫な土壁に大きな柱……。そういったことが実現できるのが加藤建築さんの日本家屋だと思って、決めました。

空気が違う、日本家屋

実際に住んでみて、加藤建築の日本家屋はいかがですか。

空気が違います

この家を建てる前に住んでいた家は、昭和40年代に建てた家ですし、アパートにも住んだこともあります。比べてみると、空気が全然違うんです。

最近は、あまり換気を気にしないというか、1日中、エアコンをつける生活スタイルもありますが、私は、やっぱり、この自然の空気が好きです。昭和に建てた前の家は、田の字に部屋がレイアウトしてある昔からの造りでした。自然な空気は入ってきたのですが、少々湿気が入ってきて……。

加藤さんがアドバイスしてくれて、家を建てるときに少し盛土をして上にあげたてもらったんです。土台が高くなったことで、湿気も入ってこなくなりました。自然の空気は入ってくるのに、湿気は入ってこない。これが本当、快適なんです。

お話を伺ったリビング。窓からは心地よい風が入ってきました。

棟梁は、住む人によりそう

盛土のこともそうなんですが、建てている途中にも、加藤さんはアドバイスをくれました。計画を立てているときは、図面の上で考えているから、なかなか具体的にイメージしにくいことがあります。でも、でき上っていくと、「台所の導線は、ここに作業台があったほうがいいかな」というように、イメージできるようになります。加藤さんは見越してアドバイスをくれますが、作業が進んでいる目の前でも、「ここは、こうしたほうがいいと思うけれど、どうしますか」というように聞いて、アドバイスしてくれるんです。

たとえば、台所も、電子レンジや炊飯器を置く作業スペースは、どこがいいかとか、そういうこと。実際、台所の作業台の設置場所は、何度も変わりました(笑)。ほかにも、階段がそうでした。最初、階段は一直線のものだったんですが、途中で折れ曲がる形を提案されました。階段途中の踊り場で折れ曲がる形にすることで、階段の段数を増やして1段あたりの段差を減らせました。これで、緩やかに階段を上がれます。加藤さんが、「毎日、上り下りするものだから、こういう小さいところが、生活の楽さを変えるよ」ってアドバイスしてくれたんです。こういうことって、経験ある棟梁じゃないと、わからないですよね……。

住む人の希望を叶えるために

番のお気に入りの場所はどこでしょうか?

一番のお気に入りですか……。そうですね……。ヘリンボーンの床、ストリップ階段でしょう……。玄関もそうだし、唐傘天井も……。ひとつには決められません。お気に入りばかりです! 選べない……(笑)。

ストリップ階段は、どうしても欲しかったんです。周りの知り合いの方たちがストリップ階段のある家を建てていて、私もストリップ階段がいい!ってずっと思っていました。それで、思い切って加藤さんに相談したら、作ってくれて!

スケルトン階段とも呼ばれるストリップ階段。 蹴込板などがなく、自然光が取り込まれやすく、視界が明るくなります。

それから、台所の床がヘリンボーンの床。高級感があっておしゃれ。人気のヘリンボーンで、憧れだったんです。無垢の自然の木で作ってもらいました。

ヘリンボーンとは山形と谷型が連続する模様のこと

それから、玄関も、本当に大好き! 気に入っています。
どうしても、こういう洋風の玄関にしたかったんです。日本家屋にすると決めたあとも、その気持ちは変わりませんでした。

日本家屋に洋風の玄関が、違和感なくなじんでいる

「日本家屋に洋風の玄関?」と、始めは、加藤さんもびっくりしていたようです。でも「結局は住む人のものだし、住む人が好きって思うものを建てるのが一番だから」って、日本家屋に合うように考えてくれたんです。それから、玄関のタイルも! 最初は、日本家屋だし、やっぱりグレーにしようと決めたんですが、左官さんに相談して、「本当はオレンジ色のタイルがよかったんだけど……」と思わず声をかけたら、左官さんも「住む人が好きなようにしないと、後悔するから」とオレンジのタイルに変更してくれました。日本家屋の棟梁とか大工さんに、こんなお願いしたらダメかしらと思いますし、自分でも、「日本家屋に洋風の玄関やオレンジ色のタイルでいいのかしら」と半信半疑だったのですが、思い切って相談したら、すごく背中を押してくれる感じで、寄り添ってくれるんだと思いました。

実際、自分でも半信半疑だった洋風の玄関も、でき上ってみるといい感じになじんでいて、大満足です。加藤さんに背中を押してもらって、本当、よかったです。

家を建てるにあたって印象に残っている出来事はありますか?

建前(たてまえ)が、とても感動的で、忘れられません。

実は、建前が、一番印象に残っているんです。かっこよかった(笑)。

最近は、お餅を投げるのみのような建前が多いですけれど、加藤建築さんでやってくれた建前は、本当に感動的で、なによりかっこいいんです。建前は大黒柱を建てる大切な儀式で、職人さんが、柱を建てていくんです。建前が始まる前には、たくさんの木が家の前に積み上げられていたのに、2日間の作業で、みごとに組みあがってきました。大勢の職人さんが、大きな声をあげてタイミングを合わせ、大きな柱を建てていく姿は、「かっこいい」のひとこと。これが、自分の家で執り行われていると思うと、感動しました。本当、トントン、トントン柱を建てていくんですよ!

建前はすべてを表すっていうの、本当だなあと心から思いました。日本家屋の建前、感動的です。

これから建てる方へのメッセージ

最後に、これから建てようと思っている方へメッセージをお願いします。

野物(のもの)を使った小屋組みの日本家屋で建ててよかったです。うれしかったです。結局は、丈夫な家を建ててもらうのが一番だと思いました。加藤さんがよく言う「100年住める家」は、本当に重要だと思います。加藤さんにお願いしてよかったです。

棟梁より

S様には、喜んでいただいてとてもうれしいです。

日本家屋は、日本の風土にあった建築方法なので、丈夫です。また、日本家屋では、大黒柱や通し柱以外の柱や壁は取り払うこともできるので、実は大胆なリフォームも可能なんです。子供さんが独立された、家族が増えたなどの家族の変化に応じて、家を変化させることができるので、その意味でも、長く住んでいただけます。家は建てて終わりではなく、お付き合いのスタートです。引き続き、お付き合いください。ありがとうございました。