今回インタビューさせていただいたY様は、加藤建築の棟梁のご近所、豊橋市石巻にお住まいです。このたび、ずっと懸案事項だったとおっしゃるご自宅のリフォームが完成したので、棟梁と一緒にご夫妻にお話を伺ってきました

こんにちは。本日はお忙しい中、お時間をいただきまして、ありがとうございます。到着したとき、外観も拝見したのですが、落ち着いた雰囲気で素敵ですね。

リフォームを繰り返した我が家を一新したい

ともと古民家で長く住んでいらしたと、棟梁から伺っています。なぜ、このタイミングでリフォームされたのでしょうか。

ご主人:この家は、私が生まれたころに父が建てたものなんです。ですから、築50年以上……。結婚したり、家族が増えたり、ライフスタイルが変わるたびに、あちこちリフォームを繰り返した家です。本当に何度もリフォームをしているので……、昔は、御蚕さんを育てる部屋もあったらしいですよ!
そんなこんなで、必要に応じてリフォームしてきたので、ちょっと「継ぎ接ぎ」な感じになってしまっていたんです。少し前、父が亡くなり、私がこの家を引き継いだものですから、この際、一度、しっかり全体的にリフォームをして一新させようと思いました。私たち夫婦の年齢を考えても、歳を重ねたら前の家のままでは生活しにくいだろうし、せっかくリフォームするなら、しっかり長く住みたいし、このタイミングしかないと思いました。たとえば、前の階段はとても急だったので、歳をとったら絶対に上るのもいやで2階に行かなくなっちゃうなと思ったんです。

ながら・加藤建築を選んだ理由

今しかない!という、タイミングだったんですね。ところで、このあたりには、たくさんの大工さんがいらっしゃいます。なぜ、その中からながら・加藤建築を選ばれたのでしょうか。

ご主人:今まで家のことをずっとお願いしていた方がリタイアされてしまったので、新しい方を探していました。
実は、加藤さんとは町内の役員の関係でお付き合いがあったんです。だから、お人柄はよく知っていました。頼りになりそうな方だなと。そして、ご近所さんで、加藤さんのところで建てた方から「加藤建築はいい」と聞いていたので……とりあえず……。本当のことを言うと、お人柄は知っていましたが、お仕事のウデはよく知らなかったんです(笑)。しかし、妻からも「加藤さんに頼んだら、とても良かったって聞いた」と聞いたので。あと、棟梁としてはお若いし、元気で丈夫そうだったから、これから家のことをお願いしていくには、安心かもしれないという思いもありました。
それで加藤さんに相談したり、内覧会を見に行ったりするうちに、加藤さんがよさそうだということになって、お願いすることにしました。
ということで、はじめはよく知らないでお願いしてしまったところもあるのですが、結果としては大正解。とても満足する結果になりました。

古い家ならではの耐震性への不安

満を持してのリフォームですよね。今回のリフォームで重視していたことは何でしょうか?

ご主人:はい。ひとつめは、耐震です。何度もリフォームを繰り返してきた家なので、耐震性に不安がありました。耐震診断でも「いつ、倒壊してもおかしくない」と言われて、何とかしなければと思って。

棟梁:そうですよね。耐震は心配になりますよね。ですから、今回もいろいろと工夫しました。耐震の補助金がとれるように設計することもできるのですが、今回は、あえて補助金をあてにせず、「実」を取りに行きました。たしかに、基準に合わせてリフォームすると、補助金をもらえることがあります。しかし、耐震基準に合わせるには、構造の計算をして建築士に設計書を書いてもらう必要があります。そして、計算上の辻褄を合わせるために、追加の設計と工事が必要になります。一般的には、補助金でもらえる金額よりも、建築士の費用と追加工事の費用を合わせた金額のほうが大きくなってしまうんです。それは、安全のためのことなのですが、なにぶん、予算の面で大変なのは事実です。今回は、古民家のよさを残しつつ、きちんと統一感のあるリフォームをしたいというご要望があったので、「実際に安全か否か」で考えることにしました。耐震というと、「地震が来ても壊れないこと」と思われることが多いですが、実際には、「地震が来ても、安全に逃げられる時間が確保できる」ということなんです。1階の部屋でくつろいでいても、2階の部屋で寝ていても、地震が来たら逃げるだけの時間があること、これが重要なんです。家が倒壊しても、貴重品はあとから探し出すことができます。命さえあれば、どうにでもなるんです。

Y様邸の場合、古民家ならではで、障子で仕切られた部屋が多く、壁がとても少ない状態でした。ちょうど、大きな田の字型に部屋が配置されている田舎の古民家、あんな感じです。そこで、障子で仕切られていた場所に壁を作ることにしました。またさらに強度を上げるために、構造用合板と呼ばれる耐震ボードを中に入れて、そのうえから木の板を貼りました。表から見えるところは木を活かして、でも、内側ではしっかり耐震ボードを使って、という形です。そのほか、筋交いをきっちり入れたり、補強をしてあります。古民家も、できることはたくさんあるんですよ。

すき間風対策も

奥さま:あと、すき間風も何とかしたかったんです。古くからの家で、リフォームを繰り返していたからか、サッシや床や壁、あちこちにすき間があって、風が入ってきていました。雨漏りさえもありました。もう、冬はつらくてつらくて、暖房を入れても全然効かないんです。なので、サッシはペアガラスにして、すき間風対策もしたいと考えました。

棟梁:すき間風! ここも、がんばりましたよ!
トタンの外装をどうしようかと。トタンって、塗り替えや張り替えなど、リフォームの方法もいくつかあるのですが、今回は、張り替えをお勧めしました。リフォームの繰り返しで、チグハグになってしまっていたトタンを新しいものに統一して張り替えして、すき間をなくしました。また、防水透湿シートと呼ばれるシートを中に張り詰めてあるので、トタンから屋内に水分やすき間風が入るのを防いでくれます。万が一、トタン部分に水が入ってしまっても、雨漏りしなくなるのです。
そのほか、壁も、うちの若い衆も気を使ってくれて、すき間がないようにしました。

ご主人:そうそう! 古い土壁のところの木の造作、すごいんですよ。とても細かい作業で、すき間が出ないようにぴったりになっているんです。これ、どんなに大変なんだろうと。見ていってくださいよ!

風が回る家が希望だった

リフォームしたところで、気に入っているところを教えてください。

奥さま:家の中を空気が回っていることです。空気がどんどん入って循環していることです。

ご主人:そうなんですよ、この廊下も見てください! 窓の下、足元にも、もうひとつ、空気が出入りする場所を作ったんです。とてもよく空気が出入りしているでしょう?

たしかに、廊下のカーテンが気持ちよさそうに揺れていて、なおかつ、その下からも心地よい風が入ってきます。こうして座っているだけでも、自然の空気を感じることができました。

奥さま:階段も、そうなんです。空気も外の光もふんだんに入ってくるので、「あれ? 電気がついているのかな」って思ってしまうほどです。

この階段、もとは、直線になっていて、とても急な勾配でした。上るのも大変ですが、降りる時がとても怖くて……。そこで、階段の最後で折れ曲がる形にして、距離を稼いで、段数を増やしたんです。10段から14段になりました。これなら安心して上り下りができます。このあたりを調整して、階段スペースに天窓もつけてもらいました。それで、すごく明るくなったんです。

棟梁:ここは本当に工夫しました。前はここに物入があったんですが、それを取り除いて、こんな風に窓をつけたんです。それに、窓の開け閉めができるように……。ほら、隣の部屋から手を出すだけで開閉めできるから、せっかく作った窓も締めっぱなしということにならない。それに、この横の部屋も、足元のほうも開くんですよ。でも、きちんと木が渡してあるから、子どもさんが落ちてしまうこともないから、安心。

プロの視点で予算配分のアドバイス

ながら・加藤建築にお願いして、いかがでしたか?

奥さま:本当、加藤建築にお願いしてよかったです。
最初、前の家に不満が25か所?30か所くらいあったんです(笑)。しかし、予算もあるし、全部の解消は無理だと思っていました。加藤さんは、予算配分を考えて、どこを優先的にリフォームするか一緒に考えてくれました。「生活のしやすさを優先したほうがいい」など、プロの視点のアドバイスはとてもありがたかったです。最初は入っていなかったリフォーム項目でも、生活のしやすさ視点であとから追加したものがあるくらいです。たとえば、はじめは台所の換気扇は「換気扇があればいい」くらいに思っていたのですが、火をつけると連動して換気扇が動くタイプのものを勧めてくれました。たしかに、これは普段から面倒だなと思っていたんですよね。つけてもらったら、本当に便利でした。

これからリフォームしようと思っている方にメッセージをお願いします

ご主人・奥さま:やりたいと思ったことは、まずは加藤さんに相談することをお勧めします。相談する前に、「これは無理だろう」と自分たちだけで悩むより、相談するほうが絶対いいです。相談すると、プロの視点できちんとアドバイスをくれます!
私たちは、しなやかで、明るくて、暖かい家を手に入れることができました。希望を叶えるために、まずは加藤さんに相談してみてください!